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木を植えた男 木を植えた男
ジャン・ジオノ 著 ; フレデリック・バック [イラスト]

内容キーワード
「絵本」

フランスの山岳地帯にただ一人とどまり、
荒れはてた地を緑の森によみがえらせたエルゼアール・ブフィエの半生。
同名の短編映画は’87アカデミー賞短編映画賞受賞。
(「BOOK」データベースより)

絵本だからすぐ読めます。
ひろりは中学2年のとき、この本に大いに影響を受けました。
今も変わらず大切な本です。

************感想(ネタばれ・注意)************
この本に出会ったのは中学2年生の時だ。
ハハが定期購入していた絵本の中に入っていた。

荒涼地帯でたったひとり、黙々と木を植え続ける男の話。
これは本当にあった話です、と言われ、とても感動した。

そしてハハに告げた。
「お母さん。明日から私は砂漠で木を植えます。」
その言葉にハハは、
「あ、そう。まぁ中学校卒業したら好きにしたらいいよ。でも義務教育は受けなさい。」
どうせ行けないと思っているんだろう!と怒りをぶつけたら、
「交通費は自分で用意してね」とだけ言われた。

本気で行くと言えば行けたのだろう。そういう親だ。

この物語は本当の話ではなかったようだ。
木を植えた「男たち」は著者を含め存在したようだけれど、
ブフィエ氏は存在しない。

少しだけ残念な気持ちにはなったけれど、
フィクションだろうがノンフィクションだろうが、
あまり関係ないなと思える程度には大人になった。
この本の影響があって、今のひろりは作られている。


小さい時から、生きること自体に罪悪感を感じていた。
物心ついたときから、とでも言えばいいのか。
とりあえずぼんやりでも記憶があるという期間で、幸せだと思った記憶はない。

ずっと生きている意味を、ただ漠然と考え続けていた。

そして成長すればするほど、生きているだけで罪だという思いが強くなった。
何かしらの命を食らい、何かしら破壊をしながら生きている。
それは抗いようのない事実で、自分が死ぬのが最善の策だと思っていた。
考えれば考えるほど、その答え以外に思いつかなかった。

人間は、心の中に陰鬱で残虐で凶暴なものをもっている。
誰の心の中にもそれはあるし、ひろりの心の中にもある。
自分のその凶悪で始末のわるい心を断つことを考えていた。
「立派な」人間になろうと、努力しようと思っていた。

それでも、どうやっても。
私は何かを食らい、意識しないほど遠いところの命であっても、
やり直せないほどの大罪に繋がる可能性をもった行為を無意識で行っている。

何のために生きているのか。何のために生まれてきたのか。

生きていると言うことは、なんと苦しいことか。
その考えはいつでも頭の片隅にへばりついていた。
四六時中、自分の脳を停止させる方法ばかり考えていた。


たったひとりで木を植え、森をつくった男の物語を読んだ。
地球という小さな星で、自由勝手に振る舞う“人”という存在も、
何かを『創る』ことができるのだと思えた。

見向きもされない小さな仕事でも、変わりのきく歯車みたいな存在であっても。
誰かに褒められることでなかったとしても。
小さな木を植えることなら、私にもできるかもしれない。
植えた木が枯れたとしても、何度も何度も枯れたとしても、
あきらめなければ、いつかは何かが変わるかもしれない。

小さい頃の思想の話をしても、運勢を見てもらっても、経験を話しても、
周りの人からは「ノイローゼ」という言葉が出てくる。
大人になってわかったのは、多くの人はそんなこと考えていないのだということ。
考えすぎとかよく言われるけど、考えるのは“くせ”だから仕方ないということ。
幸いなことに、悩みなんて何もないキャラクターに見えると言うこと。

今だって死ぬことを考えるのは、小さなころから培った“くせ”で、
ぼんやりといつも頭の中にはある。これからも消えることはないだろう。
生きているってことは、段々と死んでいくことだ。
早ければ、明日死ぬかもしれない。こんなことを綴っている次の瞬間死ぬかもしれない。
もしかしたら30年経ってもしょうもないことを考え生き続けているかもしれない。

この本の後にも素敵な出会いがあったし、少しばかり経験を積んだ。

私は目の前に見えることを丁寧に扱っていこう。
小さな木をコツコツと植え続けて、間違うこともあるだろうけど。
でも私にはそれ以外生きる意味を見いだせないのだから。

ひろりの中に小さな小さな種を植えてくれた本なのです。
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