『ホテルカクタス』 / 江國香織

ホテルカクタス　
江國 香織　著（江国香織）

お薦め読者年代
高校生以上

内容キーワード
「友情」　「ファンタジー」　「切ない」　「読みやすい」

古いくたびれているくせに、ホテルカクタスと名前がついたアパート。
そこには数字の２と、きゅうりと、帽子が住んでいました。

数字の２は几帳面で神経質。
きゅうりは体を鍛えるのが好きな単純な性格。
帽子はカメを飼っている博打好き。

その三人が住むホテルカクタスでの、ファンタジー風物語です。
短編連作なので、軽く読むのに適している本です。

************感想(ネタばれ・注意)************
登場人物が数字の２とかきゅうりとか帽子ってだけの話です。
ファンタジーと呼ぶことはできないかもしれません。

そこにあるのは、性格の違う３人が
なぜかたくさんの時間を過ごすようになるという話です。

もしかしたら、そんな感覚を味わったことがあるかもしれません。
違うからこそ腹が立つ。違うからこそ面白い。
そして秘密をすべて打ち明けなくても、友達だと公言しなくても
大切な人であることには変わりない。

最後はちょっと切ないです。