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私の男 私の男
桜庭 一樹 著

お薦め読者年代
高校生以上

内容キーワード
「家族」 「直木賞」 「アンハッピーエンド」 「切ない」
「ロクデナシ」 「サスペンス」

直木賞作品です。
ライトノベル出身作家です。
いまやライトノベルは、こどもが読む本と馬鹿にできなくなったね。

内容は・・・・。
うーん。なんというか。
簡単に言うと近親相姦の殺人者の話です。
そう聞くとダブルタブーのショッキングな本ですね。

推理小説ではないけれど、サスペンス本です。
現在から過去に、時間を逆行しつつ展開するお話。


主人公、花。義父、淳悟。
花が結婚するにあたって、婚約者を義父に引き合わせます。

その場でサムシングフォーのためのものを淳悟がもってくることに。
サムシングフォーってのは、花嫁が結婚するとき、
新しいもの、古いもの、青いもの、幸せな人から借りたものを身につけること。

結婚を控えた花に淳悟が手渡したのは、古いカメラ。
「もとの持ち主は、もう、死んでいるわ・・・」
「殺したからね」

八年の月日が流れて、もう忘れられそうだったのに、
淳悟はそのカメラをまだ持っていました。

************感想(ネタばれ・注意)************
近親相姦自体は、「実は血は繋がってない」の?と思われます。
しかし、徐々に逆行する時間によって、二人の関係が明らかになります。

全体的に悲しい。そして切ない物語です。

高校生に読ませるのには向かないということで、
学校図書館には購入できませんでしたが、
私個人としては、別にかまわんのちゃうかなぁと思いました。
男の人と女の人が読んだのでは、印象も解釈も違うのかもなぁ。

近親相姦自体は、どう考えても理解不能なのですが、
二人の間にある、どうしようもない、深い悲しみ。
それが切ないなぁと思いました。

誰かとつながること。誰かを必要とすること。誰かが離れていくこと。
何かをつかもうとするとき、何かを手放すこと。

全体的には重く暗く切ないのですが、
私個人は、そんなに胸が悪くなる話ではなかったです。
おもしろかったけどな。
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