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となり町戦争 (集英社文庫)となり町戦争
三崎 亜紀 著 / 集英社 出版 / 2005.1

**文学**日本文学**

ちょっとこれはカタイ話かもしれない。
『となり町戦争』というタイトルと 著者の名前、三崎亜紀というのが
『チョコレート戦争』だとかってものと同じ様なカワイらしい話をイメージさせて
私は手にとってしまった。

主人公の住む町ととなり町が戦争をする。
主人公は「広報まいさか」でそのことを知る事になる。

開戦日当日。となり町の会社に向かうとき「戦争」の影がどこかに潜んでないか
どんなことが起こるか皆目検討もつかないまま、仕事場へ向かう。
全くいつもと変わらないいつもの通勤路。
それなのにしばらくして届いた「広報まいさか」には
人の動きの欄に死亡 23人(うち戦死者12人)と掲載されている。

ある日、主人公の北原修路に届いた となり町の戦時特別偵察業務従事者の任命文書。
役所の感情を込めない文書と連絡の電話をうけて
主人公は辞令交付式に出かける事にする。
それは決意というものではなく、興味の域を出ないままの任命なのである。

文章は淡々と綴られている。
主人公の戸惑いと、大きな歯車によって動かされる政治の大きな流れが
いつの間にか巻き込まれたままの主人公の気持ちとの大きなズレを描いている。

今もし、戦争が起こったら、私達はどうするのか?
人を殺すのは悪いことと教えられたから「悪いこと」になっているのか?
戦争を知らない私達が「戦争」と向かい合ったとき
心はどう動くのかというのを描いているのではないかと思います。

大人向けの本です。

************感想(ネタバレ・注意)*************
公の仕事というのはいつでも人に批判をうけます。

この本を読んでいて思いました。
水道料金やガスの料金の支払を滞っていて止められて
死んでしまった人がいても
公という仕事はそれをしなくては仕方ない状況であるということ。

人の「死」というのは何者にも代えがたいものです。
でももし「それ」をするというのが「仕事」であるなら。

ひろりはこの本を読んでいて思いました。

どんな仕事であっても「楽」ばかりではないこの今の現状。
どうして人は争うのでしょう。
どうして人は何かをなくさなければならないのでしょう。
失い嘆くのは仕方がないことなのでしょうか。

今日会うあなたが、今日言葉を交わすあなたが
今日を限りに最後であったとしても
その一瞬を覚えていようと
まっすぐあなたを見ようと思います。

大人になるという事はたくさんの選択肢を知るということで
大人になるという事は疑問を持っていても何かを選ばなければならないことだと思います。

明日あなたと殺しあうことではなく
明日あなたと笑い合い真っ直ぐにあなたの事を見つめられる人間であると言うのは
とても幸せなことだと思います。
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