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普及版 モリー先生との火曜日普及版 モリー先生との火曜日
ミッチ・アルボム 著 / NHK出版 / 1998.9

****文学**外国文学**

「寝ているときは死んでいる。」
モリーの警句のひとつだ。

この本にはモリー教授とミッチの最終講義の火曜日の事が書いてある。

モリーは筋萎縮性側策硬化症(ALS)にかかった。
体が足からだんだんと固まっていってその硬化が肺まで達した時に死に至る病気。

ミッチは卒業以来、教授と連絡を取らなくなって
忙しい毎日に追われるがままに働いていた。

テレビで学生の時に「コーチ」と呼んだその人が病に侵されているのをしる。

なんでもあればあるほど良いとされる時代に生まれた私達が
愛とは何か、死とは何か、時間とは、絆とは、
そういう目に見えないものを考えるのにとてもいい本だと思う。

モリーという人がお別れまでの期限があり
だんだん体が死に向かって歩いているときに
ミッチに最終講義、ゆっくりゆっくりお別れをする樣が書かれています。

あなたは「生きる」とはなんだと思いますか?


************感想(ネタバレ・注意)*************
死を考えたこと。
それは誰にでもあると思う。
生きることの意味。
それも誰だって考えたことがあるのではないだろうか?

人間は誰もが死なんて自分に関係なくやってくるものだ、なんて思わずに生活する。

死にたいだとか、人生に疲れただとか、そういう思いにとらわれることは誰にでもあるだろう。

でも死は誰にでもやってくる。いつもそこにある。
自分で選ぶ、選ばないに関わらず。
それは生まれたときから自らの隣にいつもひっそりとあって貼り付いて離れないものだ。

私も「死」を考えたことはもちろんあって
あの頃の自分を思うと浅はかで無知だったなぁと思う。

この本の中に「第七の火曜日−老いの恐怖」というのがある。
ミッチは尋ねる。
どうして若い健康な人たちのことがうらやましくないのかなぁって。
「ああ、うらやましいことはうらやましいさ。」とモリーは答える。
「ミッチ、老人が若者をうらやまないなんて、そんなこと有り得ないよ。ただ問題は、ありのままの自分を受け入れ、それを大いに楽しむことだ。」と言う。

お金や若さや名誉みたいなものにいつも負い目みたいなものがあったり、
そのものに対する妙な急き立てられる感じがある。
それらを全て手にしたとしても、誰にでも「死」は等しくやってくる。

キレイ事だと言われたとしても、私はいつも思っている。
今の自分が一番いいと思う。
辛い事だって悲しい事だってたくさんあったけれど
お金だってたくさん持っているわけじゃない、生活するのに困らない程度だし、
ブランド物のカバンも、みんなが羨むような彼氏がいるわけでもない。
でも今の自分が一番いいと思う。

15歳のときよりも、18歳のときよりも、22歳のときよりも。

落ち込んだり悩んだりはするけれど昔ほど小さなことにクヨクヨしなくなったし
死を通して誰かにあてつけてやろうなんて思わなくなったし
楽しい思い出もたくさん持っているし
誰かが悩んだ事にだって、わからないときはわからないと言えるようになったし。

妙にプライドばかりが高くて、弱みを見せられなかったときよりも。

誰かを好きだと言って相手が好きでない事がかっこ悪いなんて思わなくなったし
誰かに優しくしたいと思って、それが見返りがなかったとしても
相手に忘れられたとしても それを「自分がしたかったから」と言えるようになったし。

こういう風に考えられるようになったのは24くらいの時からだけれど
それまではいつも自分の中の何かと葛藤していたし、
自分の存在がふらふらしていたなぁと思う。

誰も私の事なんて愛してないだなんて本当に思っていたし
一番じゃないならいらない なんて思ってた。

いつも辛くて悲しい深い深い沼に引きずり込まれそうだと思っていた。

今は思わないもの。
誰かが悲しいと思っていたなら優しくしたいと思うし
強いねって言われることだって「ありがとう」と言える。

まだまだ修行が足りないのは誰かを嫌いになったり、不信感を抱いたりすることかな。

モリーの講義は、
1 世界を語る
2 自分をあわれむこと
3 後悔について
4 死について
5 家族について
6 感情について
7 老いの恐怖
8 かねについて
9 愛はつづく
10 結婚
11 今日の文化
12 許しについて
13 申し分のない一日
14 さよなら
と続く。

最初の方は、納得納得、と読み進めていたんだけれど
進むにつれ、だんだんイメージでしか捉えられなくなっていた。
書いてある事は(モリーの言っていることは)わかる。
でもやっぱり私にはまだ経験したことがない「死」というものに向かっていっているモリーの
世俗から昇華されていく思想というのが「身」についていないんだろうなと思う。

オバアチャンに「さよなら」したときに、もっとあーすればよかった、こーすればよかったと
後悔しないことなんてないけれど
「死」がいきなりオバアチャンを連れていかなくてよかったなぁと思ったり。

私の好きな誰かがこの世からいなくなったときにたくさん泣ける人間でありたいと思う。
そして私が死んだときには、「この人と出会えてよかった」と思われる人間になりたいと思う。

そのために必要なのは「お金」でも「名誉」でも「損得」でもなくて
ただただそこには「愛」が必要だと、私は思います。

たくさん考えることのできる本だと思います。
でも『星の王子様』みたいにね、たくさんの課題がありすぎて
一気に読んでもただ読んでるだけになっちゃう気がする。
だからこの本も買おうと思ってます。

素敵な本に出会うことも、素敵な先生に出会うことも
神様がくれた幸運だと思うから それを大事にしたいなと思います。
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