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まぶしくて見えないまぶしくて見えない
山本文緒 著 ; 集英社 出版 / 2001.7
****小説**日本文学****
おすすめ読者年代 中学生以上
読みやすさ ☆☆☆☆☆ 5
感動指数   ☆☆☆★★ 3

七生(ななお)は中学3年生。
かなずちの七生は、プールの前で立ちすくんでいる。
泳げるわけない。
友人のテルコも泳げないなんて言いながら、きっと泳げるに決まってる。

どうしてテストを受けなきゃいけないんだろう。
溺れるのがわかってるのに、どうして泳がなきゃならないのだろう。
サボればよかったのに、クソ真面目な七生はプールサイドに立ち尽くしている。

ゴールを目を細めて眺める。
日差しがまぶしくてよく見えない。

案の定七生は溺れてしまい、無様な格好をクラスメートにさらすことになる。
そして陰口を叩かれているのを耳にする。
「あの人、勉強はできるのに、本当に運動神経だけはないよね」
「できるったって井の中の蛙じゃない。越光(こしひかり)なんかには入れないわよ」

勉強ができる七生は、人より努力している。
努力しているから勉強ができる。
それなのに他人から陰口を叩かれる。
どうして、こんなに努力しているのに笑われなきゃならないのだろう。

そして決意するのだ。絶対越光高校に入ってやると。

越光高校に入るために塾に通うこととなった七生。
そこで自分が守ってきたトップを悠々と抜き去った井戸川も通っている。

その塾には樺木というふざけた感じの先生がいる。
樺木の教えている塾は前年度の越光高校合格率100%。
その割にはふざけた授業で、七生はこんなんで大丈夫なのか?と不安になる。

夏休みが終わったらプールの再テストがある。
25メートル泳げなかったら体育は0点と体育の先生に言い渡されている。
不安ばかりの越光高校の受験。
母親には「本当にやりたいことならなんでもやっていい」と言われている。
七生にとって「本当にやりたいこと」とはなんなのか。

家族と進学、自分自身について迷い考えるとき、
樺木によって徐々にあきらめないことで、「できる」ようになる楽しさを知る。

不器用な女の子が、成長してゆく物語です。
じんわり心があったかくなるストーリーです。

************感想(ネタバレ・注意)*************
なにがおもしろかったって、最後の巻末エッセイが面白かった。
コバルト文庫復刻版の本書は、少女小説で
山本文緒サンにとっては今振り返ると恥ずかしい作品。

書きたいものにこだわったということで、なかなか日の目を見なかった時代。
もし他人の意見を聞いて失敗したら、アドバイスを受け入れた自分を責めるでなく、
責任を他人に押し付けたくなる。だから書きたいものを書く。

その考えが文学賞(吉川英治文学新人賞)の受賞で根底からくつがえる。
そして二年間の間、「直木賞」という日本一有名な賞をとるための時間が始まります。

直木賞受賞後のことを全く考えていなかった。
短絡的な女の子が、恋人さえできれば全てうまくいくと発想するようになっていた。
そんなことが綴られています。

この作品中にあるのは、あきらめないということが大きなテーマなのかもしれません。
「どーせ駄目」は「どーせ死ぬ」に似ている。
山本文緒サンが本作を書いたときは、また違った考えで執筆されたのでしょうが、
巻末エッセイを読み終えたとき、作品を読み終えたような気持ちになりました。

七生が悩む悩みは思春期にはよくあることなのかもしれません。
結果が全てではなく、その過程にも意味があるということを
人はだんだん忘れていきます。

この作品の結末は「アンハッピーエンド」なのかもしれません。
しかし樺木や井戸川によって七生が得たものは、七生の中にたしかに存在するのだから、
そのこと自体が「意味」になるときもあるのだろう。
そんなことを考えた作品でした。

中学生、または高校生に読んで欲しい。
大人が読んでも新鮮な気持ちが戻ってくるに違いありません。
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