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アーモンド入りチョコレートのワルツアーモンド入りチョコレートのワルツ
森 絵都 著 ; 角川書店 出版 / 2005.6
****日本文学**小説****
おすすめ読者年代 中学生以上
音楽指数 ☆☆☆★★ 3
恋愛指数 ☆☆☆★★ 3

子どもは眠る : ロベルト・シューマン<子供の情景>より
彼女のアリア : J・S・バッハ<ゴルドベルグ変奏曲>より
アーモンド入りチョコレートのワルツ : エリック・サティ<童話音楽の献立表>より


短編3本収録。
森絵都サンは、どちらかというと女の子に人気の作家です。

『子供は眠る』の主人公は中学2年生。いとこと5人で過ごす夏休みの物語。
『彼女のアリア』は中学3年生の男の子が主人公。
旧校舎でこっそり会う女の子との恋物語。
『アーモンド入りチョコレートのワルツ』の主人公は中学1年生。
ピアノ教室に突然奇妙なフランス人サティのおじさんが現れてからのお話。

思春期の中学生の微妙な年頃を描いた作品です。
『子供は眠る』はクラシックが好きなお金持ちの章くんの別荘に
主人公の恭、智明、ナス、じゃがまるの同年代5人で合宿をする話。

『彼女のアリア』は、文庫版で46ページ。
不眠症の男の子が、全く接点のない女の子藤谷と旧校舎で出会い、
彼女の身の上を聞きながら、段々と距離を縮め、彼女のことを知っていく。

『アーモンド入りチョコレートのワルツ』は
ピアノの先生絹子先生の家に突然やってきたサティのおじさんと、
奈緒と君絵ですごした数ヶ月の間の素敵な木曜日のお話。

個人的には表題作の『アーモンド入りチョコレートのワルツ』が好きです。
短編なので読みやすく、クラシックに興味がなくても楽しく読めるお話です。
森絵都さんの作品は『カラフル』がとても人気なんですが、
まだ読んだことがありません。
『カラフル』も読んでみたいなぁと思わせる作品でありました。

高校生とか大人になった人達のほうが楽しく読める本だと思います。

************感想(ネタバレ・注意)*************
アーモンド入りチョコレートのワルツ、なんて素敵な言い回しだ。
サティは「ジムノペディ」くらいしか知らなかったので、聴いてみました。
でもあんまり好きなタイプの曲じゃなかった・・・。

クラシックの曲のタイトルではあるんだけど、知らなくても楽しめる作品です。

『子供は眠る』のお金持ちの章くんに逆らったら、
次からの夏休み従兄弟通しで集まる合宿に呼ばれなくなるから
章君に合わせて我慢するしかない。
そんな章くんのことを全くわかってなかったことに最後は気づきます。

『彼女のアリア』の中に出てくる主人公は不眠症になり、
藤谷という仲間を見つけてとても嬉しくなる。
夜眠れないことはとても孤独で、不安にさせるから。
彼女と話しているうちに不眠症は完治するのだが、それを告げられない。
旧校舎の音楽室で会う彼女の身の上話を聞きながら、
今度はその告げられない事実に悩むのだ。

『アーモンド入りのチョコレートのワルツ』には
変人と呼ばれる人達ばかりが登場する。
もちろん周りの大人や、クラスメート、同じピアノ教室の子にも
気味悪がられていくサティのおじさん。
でも君絵も主人公の奈緒も、サティのおじさんが大好きだったし、
絹子先生のことも大好きだ。

だんだん変わっていく絹子先生とサティのおじさんの関係。
でも木曜日の夜のピアノ教室の時間は、大切な時間。
変な人だと気味悪がられても、自分たちが楽しいから、
そのことに気づきながらも何もできない中学生の女の子。
自分達の目と感性を信じている中学生の女の子。

木曜日のピアノ教室、絹子先生とサティのおじさんがいる空間。
それが君絵と奈緒にとってどれだけ素敵な空間か、というのを想像すると
とても楽しい気持ちにさせてくれる作品でした。

心の中にあるふわふわしたものや、
思い出すときらめいているように思える思い出。
そんな記憶がたくさんちりばめてあるような物語でした。
また読み直したい、と思います。
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