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川西 蘭 著 ; ジャイブ 出版 / 2007.3(220p)
****文学**日本文学****
おすすめ読者年代 中学生以上
読みやすさ ☆☆☆☆★ 4
恋愛指数 ☆☆☆☆★ 4
家族指数 ☆☆☆★★ 3
高校生の「ぼく」慎一。
慎一の父は大学教授で、以前は客室乗務員だった母は人材派遣会社を経営している。
家族との会話らしい会話なんてひとつもない家庭だ。
中学生の「わたし」奈津美。
4年前にパパが離婚し、その半年後に新しいママができた。
家族で揃って食事をしてはみるものの、どこか不自然で、堅苦しい。
そこには一人暮らしをしているケン叔父さんがいることもある。
二人が出会ったのは一番最初は偶然。
偶然は更に続きインターネット上でも出会うことになる。
そして、またもや偶然が重なることになる。しかし、最後の偶然は最悪だった。
他にライバルが出てくることはなく、徐々にふたりの距離を縮めながら、
恋愛はすすんでゆきます。
ほわほわと軽く甘い気持ちを感じたり、少し相手に不安を覚えたりと、
思春期の恋を描いてあります。
************感想(ネタバレ・注意)*************
これは恋愛小説とも言えるが、家族の話でもある。
端から見れば、慎一の家は裕福な家庭だ。「幸せな家庭」に見えることもあるだろう。
奈津美の家は「複雑な家庭」と呼ばれたりすることがあるかもしれない。
しかし家の中で流れる空気は、慎一の家の方が重く冷たい気がする。
奈津美には食欲旺盛で、グルメなデブ猫の勘太郎がいるし、
なんだかんだとやってきてはビールを飲み、気ままに過ごすケン叔父さんがいる。
悲しいかな、家族の中で子どもは無力だ。
どんなに強く願っても、不仲な大人達の前では子どもの存在は無力に等しい。
夫婦にとって愛とは、無償で存在するものではないようだ。
そんな家庭の中で生きる思春期の二人は、お互いのことを柔らかく思いやる。
深く聞き出そうとしたり、強く追求したりもしない。
ただ寄り添うだけで意味があるときもあるのだろう。
対する大人達の恋愛は、複雑でとても苦しそうに描いてあるので、
二人の恋がなかなか前に進まないのさえ、とても楽しそうにうつる。
恋愛小説で泣きたいわ、とか、ドロドロした本気の恋が読みたいわ、って人には向きません。
淡くほんのり甘い恋物語ですから。
これは恋愛小説とも言えるが、家族の話でもある。
端から見れば、慎一の家は裕福な家庭だ。「幸せな家庭」に見えることもあるだろう。
奈津美の家は「複雑な家庭」と呼ばれたりすることがあるかもしれない。
しかし家の中で流れる空気は、慎一の家の方が重く冷たい気がする。
奈津美には食欲旺盛で、グルメなデブ猫の勘太郎がいるし、
なんだかんだとやってきてはビールを飲み、気ままに過ごすケン叔父さんがいる。
悲しいかな、家族の中で子どもは無力だ。
どんなに強く願っても、不仲な大人達の前では子どもの存在は無力に等しい。
夫婦にとって愛とは、無償で存在するものではないようだ。
そんな家庭の中で生きる思春期の二人は、お互いのことを柔らかく思いやる。
深く聞き出そうとしたり、強く追求したりもしない。
ただ寄り添うだけで意味があるときもあるのだろう。
対する大人達の恋愛は、複雑でとても苦しそうに描いてあるので、
二人の恋がなかなか前に進まないのさえ、とても楽しそうにうつる。
恋愛小説で泣きたいわ、とか、ドロドロした本気の恋が読みたいわ、って人には向きません。
淡くほんのり甘い恋物語ですから。
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