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ハチミツとクローバーfilm story (コバルト文庫)ハチミツとクローバーfilm story
落合ゆかり 著, 羽海野チカ [原作]
集英社 出版 / 2006.6(217p)

****文学**日本文学****
おすすめ読者年代 中学生以上
読みやすさ ☆☆☆☆☆ 5
恋愛指数  ☆☆☆☆☆ 5

ノベライズ本です。
元々はマンガですが、ハチクロ(ハチミツとクローバー)は映画化され、
その映画を小説化(ノベライズ)した作品です。

ハチミツとクローバー (1) (クイーンズコミックス―ヤングユー)主人公は芸大生らしくない、個性に乏しい竹本君。
竹本君は、はぐみチャンに恋をします。

はぐみチャン(はぐ)は、入学時から噂の天才少女。
そして同じ様に留年し続ける天才森田との事が気になるようです。
森田は、はぐに惹かれていきます。

竹本の先輩の真山は、バイト先の理花さんに夢中で、
そんな真山のことが大好きなあゆみ。

芸大を舞台に、片想いばかりを描いた青春ストーリーです。

― 人が恋に落ちる瞬間を初めて見てしまった・・・―

恋をするのは、とても突然だったりする。
だからこそ、「落ちる」と表現するのだろう。

この作品に出てくる人たちは、とても一生懸命恋をする。
駆け引きとか、計算とか、様々な「技」を使わない。

まっすぐまっすぐに人を好きだと思う気持ちが、
そのままストレートに表現できるとは限らない。

さわやかな恋愛小説を読みたい人にはおすすめだと思います。

************感想(ネタバレ・注意)*************
「天才」と呼ばれる人たちの苦悩をわかることはできない気がする。
でもきっとあるのだろうと思う。

自分の中にあるものを表現するってことは、
そんなにすんなりうまくいくことではない。

天才森田の個展の話が出てくる。
変人と呼ばれている森田は、「ビジネス」のために作品を出せといわれる。
大作が必要だから。時間がなくて間に合わないから。
全然納得してない。けど、500万の値段がついた作品。

その作品は美術評論家に批判される。

何もわかってないくせに。
だからはぐは怒った。
そう思ったらその評論家に手が出た。森田の。

誰かのために怒ったり、それをまた怒ったり、
そして仲間同士これといった目的はなかったけど、海まで車を飛ばしたり。

あぁ若い。青春だ。

怒らなきゃいけない、ってことじゃないけど、
無鉄砲だから青春ってわけじゃないけど、
何もかもわかりすぎるなんてツマラナイ。


あゆみが恋する真山。
叶うことのない恋はあきらめなきゃいけない。
全力で頑張ったけど、相手を想えば想うほど痛感するから。

*****引用*****
「ダメだ」といわれたからって、あっさりとキライになれない。
こういうキモチって、つきあう対象になれなかったからって、「あ、はいわかりました」ってシュルルルーって消えてなくなれるほど、カンタンなものじゃない。
「あきらめる」ってどうやればいいんだろう。
自分の本当の心から、逆へ逆へと行けばいいんだろうか。
そしたらいつか、ぜんぶぜんぶ、消えてなくなる日が来るんだろうか。
こんな胸の痛さとかも、ぜんぶぜんぶ。
**************

竹本は、寮に戻る気になれず、行き先も決めず自転車を漕いだ。

*****引用*****
―僕はずっと怖かったんだ。未来が見えないことが。
自分がどうしたいのか、わからないことが。
それがなぜだかも、わからないことが。
それでも容赦なく流れる日々が―
**************

そしてあの日の海までたどり着いたとき、気づく。
逃げてはいけないことを。
今逃げたら、出会ったことすらなかったことになることを。

*****引用*****
竹本は、今の自分から逃げないと決めてから、急いで東京へ戻ることにした。
何時間かかるかわからないが、とにかく、一刻も早く、戻りたかった。
振り返らないで僕はどこまで行けるんだろう・・・・・・そんな風に走りだしたその理由が、・・・・・・やっとわかった。
―たぶん僕は、背中から遠ざかる自分のすべてを、どれだけ大事か、思い知りたかったんだ。帰ろう。また、同じ数だけペダルを踏んで・・・・・・
**************

それからいくつか季節が過ぎ、夏になっていた。
竹本は、あゆみからの手紙でいろんな事を思い出していた。
あの時の夏や、海、そして恋。

今はみんなそれぞれの道を歩いている。
一生懸命に過している彼や彼女らに会うときに、恥ずかしくない自分でいたい。

*****引用*****
今しかできないことを、今、やれる人でありたいと思う。
誰かを見つめるために、誰かを守るために、強くなりたい。
**************

青春だ。
最後の1ページ。竹本の台詞。
そのまんま。昔そんなことを言っていた自分を思い出す。
うむ。青春だ。

大学同級の友達がこの作品を大好きなのがわかった気がした。
竹本君の「未来と流れる日々」が怖かったって台詞。
それがあまりに心に刺さった、って意味が少し理解できた。

個人的には☆3個半。
ノベライズ本はいつもちょっともの足りない。
マンガは読んでないけど、きっと☆5個だろうな。

ハチミツとクローバー スペシャル・エディション (初回限定生産)  ハチミツとクローバー オリジナル・サウンドトラック  ハチミツとクローバー 第1巻
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