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神様のボート神様のボート
江國香織 著 / 新潮社 / 2002.7

****文学**日本文学****

江國香織作品って今まで何本か読んで
(´・д・`) ・・・どうも好きになれない・・・・としか思えなかったんだけど、
この作品は面白かった。

江國香織サンって20代の女性に人気があるらしい。
読んでたらそれはとても「わかる」。
文体がオシャレな感じというか、
何かを深追いして考えさせるというものではない。

登場人物は確固たる信念みたいなものを持ってはいるけれど
それを誰かに押し付けたり強要したりって場面はほとんどなくて、
「そういうものでしょ」と他人の意見をかわしてしまったり
「私は私だからしかたがない」から ジタバタしないわ、というような。

葉子と草子はパパに会うために旅をしている。
「旅」と言っても、短期間一週間だとか二週間の捜索の旅ではない。
正確に言うと旅ではなく、生活自体が放浪で、そんな自分達を見つけられるのを待っている。

母・葉子は骨まで溶けるような、何もかもがピッタリと合わさるようなそんな恋をした。
「どこにいても見つける」というのを信じて、ずっと待っている。
パパを待つ間、他の誰かに馴れてしまわないために 転々と引越しを繰り返す。

葉子が恋に狂う、狂わされるのは仕方がないけれど
娘の草子も一緒に流浪の旅をしている。
幼い草子は転校を繰り返しているから、引越しのたびにいつも悲しい思いをしている。
きっと母葉子もそのことはわかっているのだけれど、
それでも「馴れてしまわないため」に引越しを繰り返す。

変な話だなァと思いはするものの
あまりに激しい恋をしたら仕方がないんだろうなぁと思わざるをえない。

恋愛至上主義もしくは相手の事だけを考えてしまうような
激しい恋が正しいものとは思わないけれど、
きっと葉子はその事以外考えられないのだろう。

もちろん娘の草子が同じ様に考えるわけではなく
成長する娘は冷静に母を見つめている。

文章は母 葉子目線のものと、娘 草子目線のものが交互に描かれている。

他人から見たとき 情熱的な恋をした人間は、幸運と不幸が共存しているように見える。
本人は不幸でも幸運でもなく、ただ「恋」をした ということだけなのだけれど。
そういうものをうまく描いてあるなぁと思った。

他人の恋路を邪魔したら、馬に蹴られて死ぬとはよく言うもので、
恋というのは他人に理解してもらえない「マイルール」を作ること。
他人からしたらわからないものだよなぁ・・・と思った作品でした。
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